「ある日の衛兵隊 バレンタイン編」 みやさん作 「アンドレアンドレアンドレっっっ!!!」 「なんだどうしたオスカル!?」 「ラ、ラサールが…っ!」 「ラサールがどうしたって?…おまえ少し落ちつけ。水でも飲むか?」 「これが落ちついていられるかっ!ラサールがフランソワにチョコレートを渡してたんだっ!」 「ああ、それなら俺も貰ったけど?」 「どうしようアンドレ!我が衛兵隊がホ○の巣窟にでもなったりしたら…ええ!?おまえもかっ!?」 「ホ○の巣窟っておまえ、なんちゅう表現を。ほら、これ」 「……」 「美味そうだろ?後でおまえと一緒に、っておい、聞いてるか?」 「…信じられない…」 「へ?」 「…信じられない!おまえそれ、受け取ったんだ…!」 「そりゃまあ、わざわざ持ってきてくれたんだし。断る理由もないじゃないか」 「こ…の…っ!!浮気もの!!」 「はい?」 「おっ男にっ!よりによって男に走るなんておまえそれは神に対する冒涜だ異端だそりゃぁわたしはこんなだし胸もないし男とあんまり変わらないかもしれないけどまさかおまえを男に取られるなんて男に負けたのかわたしは」 「こらこらこらっ!一人でなに暴走してんだおまえ!これはなぁ、『友チョコ』!!」 「いや女ならいいかって言うとそういう訳じゃないけどでもそういえばディアンヌは可愛いなぁとか言ってたしところでその『友チョコ』ってなんだ?」 「ちゃんと聞こえてるんじゃないかおまえ!『友チョコ』ってのは友人に配るチョコのことだよ。恋人に贈るチョコとは違うの!」 「え?」 「だいたいなんで俺が男と浮気するんだばかばかしい!」 「そ、そうなのか。…よかった…!」 「へえ、おまえ、ヤキモチ焼いてくれたのか?なんだか嬉しいな♪それで?」 「なんだ『それで?』って?」 「いや、『友チョコ』じゃない『本命チョコ』を待ってるんだけど」 「ああ、それそれ! 去年のバレンタインのテーマは『オペラ座の怪人』だったよな?」 「うん。素晴らしい一夜だった♪」 「今年のわたしのツボは『ダヴィンチ・コード』だ!」 「はぁ?」 「ふっふっふ。この兵舎の何処かに今年のバレンタインのプレゼントが隠してある。最初のヒントは…(ごそごそ)この紙に書いてある。これを解いてその場所に行けば次のヒントがあるぞ。制限時間は今日の勤務終了まで!」 「えぇぇ〜?!」 「もし制限時間まで見つけられなかったら…分かってるだろうな?」 「ちょ、ちょっと待てオスカル!!それって…!?」 「では!健闘を祈るぞ!おお、ついでだから訓練の一環として兵士諸君にも探してもらおうかな。危険物探査のシュミレーションとして」 「そんな!おまえのプレゼントなら皆血眼になって探すに決まってるじゃないかっ!」 「うん、だから頑張ってくれ。愛があれば大丈夫だ。愛があれば、な♪」 「おい!こらオスカル!どこ行くんだ!?待てってば!それ、どっちかっていうと『天使と悪魔』じゃないのか?おい!?ってそんなことツッコンでる場合か俺!待てっ待ってくれって! オスカァァァ〜〜ァルっっっ!」 『あとがき』 そうそう、たしかに去年は「オペラ座」でしたね〜。 あの映画、うちの娘も好きなんですよ。親子だから好きなものが似ます。 みやさんん、楽しい作品をありがとうございました。 ホワイトディ編はこちら |