『ホワイトデーの贈り物』        タンタンのママ様作

今日は衛兵隊が休みの日だ。
今日から、3日間の休暇に入った。
アンドレは、明日のホワイトデーのプレゼントを買うため
にパリの街に出て来た。屋敷の仕事をひと段落つけてきた
ので、夕方になってしまっていた。

(早いところ、プレセントを選んで帰らないと。
           オスカルが待っている。)

そう、アンドレは今年のバレンタインの時に、オスカルか
らチョコレートと愛の告白を貰っている。二人はやっと恋
人同士になったのである。

(恋人同士となって、初めてのホワイトデーだ。なにか
          オスカルにプレゼントを・・・。)

パリの街を歩いて、いろいろな店を見て歩いていた。あち
らこちら、あれでもない、これでもない、いろいろと思案
しながら店を見て歩いていると、アンドレは肩をポンッと
叩かれた。驚いて、後ろを振り返ってみると、アランが立
っていた。

「どうした。アンドレ、こんな所で?」
「ああ、アラン。いや、ちょっとヤボ用で・・・。」
アンドレが言葉を濁していると、アランはピンッと来た。
(あ、はん。もしかして・・・?)
「アンドレ、もしかして、隊長(のため)の用事か?」
アンドレはぎくりとしたが、知らん顔で言った。
「いや、そうじゃないけど・・・。」
アランはにやりと笑うと
「ふうん、じゃあ、いいな。折角、ここで会ったんだ。たま
 には、俺に付き合えよ。」

(冗談だろう! オスカルが待っているのに。
     こんな所で、アランに捕まっている暇はない。)

即座にそう思ったアンドレはアランに向かって言った。
「いや、やめとくよ。用事も済んでいないし、それに屋敷のほ
 うの仕事も残っているし。」
「いいだろう。お前は働きすぎ! たまには、さぼれ。なあ、
 アンドレ!」
アランは、そういうとアンドレの腕を取って強引に酒場に連れ
て行った。


    


---とある酒場にて----
「まったく、お前は強引だ。もういいだろう。俺は帰る。」
「まあまあ。いいじゃないか。たまには、俺に付き合えよ。」
酒場に来てから、2人の間で、この会話のやりとりを始めて、
約3時間が経つ。2人とも、かなり酔っているようだ。
「本当に、いい加減にして帰らないと、怒られる。」
アンドレが、そういうと、アランはからかう様に言った。
「そんなに怖いのか? 隊長。」
「ああ、怖いぞ。俺のおばあちゃん。」
アンドレはそう言うとグラスの中の酒を飲んだ。
「お前のおばあちゃん?」
「そうだ。屋敷の仕事をさぼっていると、『なに仕事をさぼっ
 ているんだい。アンドレ?!』って、すごい剣幕で怒鳴る。」
「へえ〜。でも、怒鳴るくらいなら・・・。」
アランは、馬鹿にしたように言う。
「お前な、その後で俺はおばあちゃんから“ヤキ”をいれられる
 んだぞ。」
「ヤキ・・・。」
「ああ、そうだ。」
「・・・・・・お前のばあさん、パワフルだな。」
アランは酒を飲みながら言う。
「ああ、本当にパワフルだよ。なんせ、オスカルの“ばあや”
 なんだから。」

アランは、飲んでいた酒を噴出した。
「隊長の・・・・、なら、納得した。お前のばあさんがパワフル
 なの。」
「だろう。だから、もう帰る。」
「そうだな。もうそろそろ、帰るか。」
アランの言葉でアンドレは言った。
「あ、アラン、ここは割り勘だぞ。お前はいつも、俺にたかるん
 だから。」
「まあまあ。あ、そうだ。アンドレ、この酒場を出て、右のほう
 に行くと、細い路地がある。そこの奥のほうに結構いい小物が
 おいてある店があると、ディアンヌが言っていたぞ。」
「え?!」と、アンドレはびっくりした。
「と、言うことで、ここはお前のおごり。じゃな。ごちそうさん。」
アランは、にやりと笑うと、先に店を出た。
「やられた・・・。」と、ひとりたたずむアンドレだった。


   


アンドレは、アランに教えられたとおりに店を探した。
「ああ、あった。ここか。」
こじんまりした店だった。
ショーウィンドに女物のアクセサリーや小物が並んでいた。
「あ、これなんか、オスカルに似合いそうだ。」
アンドレは、そうつぶやくと店の中に入った。

----カランカランカラン-----。

「すみません。」
アンドレは店に入って声をかけて、店の中を見回した。
店の中もこじんまりしていたが商品のセンスはなかなかよかった。
「は〜い。」
店の奥から女性が出てきた。
「あの、そこのショーウィンドに出ている、銀のバラの髪飾りなん
 ですけど・・・。」
アンドレは、店の奥から出てきた女性を見て、思わず叫んだ。
「オスカル!! お前、何でこんなところに・・・。」
「え、あの、」
女性のほうは、アンドレの剣幕にびっくりしていた。

すると、店の奥から男の声が聞こえた。
「シルヴィー、どうしたんだい?」
「シルヴィー?」
アンドレは聞きなおした。
シルヴィーは奥に声をかけた。
「なんでもないわ。あなた。」
そして、アンドレのほうを向いて、
「いらっしゃいませ。」 と挨拶をした。
アンドレは、しばらく彼女をじっと見つめていたが、
「あの、失礼ですけど、あなたのお名前は、シルヴィーさんと仰るの
 ですか?」
と聞いてみた。
「ええ、私の名前はシルヴィーですわ。お客様。」 と言って彼女は
にっこりと微笑んだ。しかし、アンドレには微笑んでいるシルヴィー
の顔は、オスカルに見えた。見事なまでの金の髪を後ろでくくり、銀
のバラの髪飾りをしている。

(あれ、彼女のしている髪飾りは
  ショーウィンドに出ているのと一緒だな。) 
とアンドレは思った。
そして、よく見てみると、なんとなくオスカルと
は違っていた。

女性らしいしぐさ。
女性らしい声。
背もオスカルより低かった。

アンドレはシルヴィーをじっと見つめていると、
「あの、お客様? どうかなされましたか?」
シルヴィーの声で、我に返ったアンドレは、
「ああ、すみません。あのショーウィンドに出ている銀のバラの髪飾り
 を見せてほしいのですけど・・・。」 
「あ、はい、少々お待ちくださいね。」
シルヴィーは、ショーウィンドから、アンドレの言う銀のバラの髪飾り
を出してきた。
「こちらで、よろしいですか?」
「ええ、そうです。」
アンドレは、この髪飾りをつけたオスカルを思い浮かべていた。
「お客様、いかがですか?」
「ええ、それじゃあ、これを・・・、お願いします。」
「はい、ありがとうございます。少々、お待ちくださいね。」

シルヴィーは、そう言うと髪飾りを箱に入れて、緑色の紙の包装紙で包
みながら、うれしそうに奥に向かって声をかけた。
「あなた、あなたの作った銀のバラの髪飾り、売れましたよ。」
奥の方から男の声が聞こえた。
「えっ、本当かい?」
「ええ、本当よ。今、いらっしゃったお客様がお買いになったの。」
楽しそうに会話している2人を見て、アンドレは思わず、微笑んだ。
それに気がついたシルヴィーは、頬を染めながら、
「あ、ごめんなさい。お客様。」
「いいえ、この髪飾り、ご主人が作られたのですか?」
「はい、そうなんです。」
「あなたの髪飾りも?」
「ええ、私がしている髪飾りは主人が私のために、細工師になって初め
 て作ってくれたものなんです。」
「おいおい、シルヴィー、俺の事はいいから、お客様の相手をちゃんと
 してくれよ。」
奥の方から、男の声がした。
照れているのか、でも、幸せそうな声だった。

そんな2人の会話を聞いていたアンドレは、
「新婚さんですか?」
と、聞いてみた。するとシルヴィーは、うれしそうに頬を染めながら、
「ええ、そうなんです。幼馴染の彼の事を、やっと私の父が許してくれ
 て、つい最近、結婚したばかりなんです。」
アンドレは、微笑みながら
「おめでとうございます」
と、言った。シルヴィーも、幸せそうな顔で微笑んでいた。
「ありがとうございます。お客様も、奥様にですか?」
「え、いえ、・・・。」
「あ、恋人さんかしら。」
「ええ、そうです」
「まあ。」
シルヴィーは、にっこりと微笑んだ。
「こら、シルヴィー、お客様のプライバシーに首を突っ込むなよ。」
奥の方から、男の声がした。
「あら、だって、あなたによく似た人だから。ついつい・・・。」
「もう、いいから。お客様に品物をお渡ししたんだろうね?」
「え、あ、まだ・・・。」
「おいおい・・・。」 と、男のあきれた声がした。

アンドレは、そんな2人のやり取りを聞いて、クスクスと笑い始めた。
「あら、いやだわ。私たら、ごめんなさいね。」
シルヴィーは、顔を真っ赤にし、商品を渡して、あやまった。
「いいえ、俺の方こそ、笑ったりしてすみません。」
アンドレも、笑いながらあやまった。
「ありがとうございました。」
シルヴィーは、まだ顔を真っ赤にしたまま、アンドレにお辞儀をした。
アンドレは、受け取った品物を上着のポケットに入れて、店を出ようと
した。すると、店の奥から男が出てきた。
「本日は、ありがとうございました。家内がお喋りで、すみません。」
「まあ、ひどいわ。アンドレったら。」

(へえ、ご主人の名前もアンドレと言うのか)

とそんなやり取りを後ろで聞いたアンドレが、店を出る前に振り返って
2人を見た。
「いいえ、俺の方こそ、あり・・」
アンドレは、お礼を言おうとしたが、店の奥から出てきた主人の顔を見
て、言葉を失った。オスカルによく似ているシルヴィーの横に、髪が長
い頃の自分が立っていたからである。


   


アンドレは気がつくと馬に乗って、屋敷に向かっていた。

(俺は、酒を飲み過ぎて、夢でも見ていたのか?
           それとも・・・。そうだ。髪飾りは・・・。)

アンドレは慌てて、上着のポケットを探した。すると、緑の包装紙で包ま
れた箱が出てきた。

(・・・あった。と、言う事はやっぱり、あれは本当にあった事なのか。
 でも、それでは、彼女達は何者なのだ? オスカルにそっくりなシルヴ
 ィーという女と、髪が長かった頃の俺にそっくりな男。おまけに男の名
 前もアンドレだったし・・・。)

アンドレは、いろいろと考えていたが、ふと夜空を見上げた。

(しまった。月があんなに高い所にある。ずいぶんと時間がたってい
      るようだ。早く帰らないと、オスカルが待っているのに。)

アンドレは、シルヴィー達の事が気になったが、オスカルの元に帰るため
に、馬を走らせた。


   


コンコンコン。

アンドレはノックをして、
「俺だ。オスカル、入るぞ」
と言って、ドアを開けた。
オスカルは、ソファに座っていたが、アンドレの顔を見るなり、
「どこに行っていたのだ!? すぐに帰ってくるって言っていたのに!!」
「ああ、そのつもりだったのだが・・・。」
オスカルはアンドレを睨み付けながら言った。
「ふん! ばあやが怒っていたぞ。
『あの役たたず!! 屋敷の仕事もせずに何処で油を売っているんだい?!』
 って。私は、知らんぞ。明日の朝が楽しみだな。」
オスカルは、そう言って、フフンと笑った。
「ゲッ、おばあちゃん、そんなに怒っていたのか?」
アンドレは、ばあやの“ヤキ”の事を考えてゾッとした。

それを見ていたオスカルはクスクスと笑いながら、アンドレに言った。
「大丈夫だ。ばあやには、お前は私の用事でパリに行ってもらっていると言
 っておいたからな。」
「オスカル・・・!? 俺は、マジでおばあちゃんから“ヤキ”を入れられ
 ると思ってしまったぞ。」
「ふん、それなら、私に感謝するのだな。で、どこに行っていたのだ?何の
 ために?」
「何のためって? 明日、何の日か知っているのか?」
「明日? 明日は、たしか休暇の2日目だし・・・?」
「明日は、ホワイトデーだよ。ほら、プレゼント」

アンドレは、上着のポケットから緑色の包みを出して、オスカルに渡した。
「ありがとう。アンドレ。」
オスカルはうれしそうに微笑んだ。
アンドレは彼女の横に座り、顎に手をやって口付けをした。
「酒臭いぞ。アンドレ。飲んでいるな。」
「あ、悪い。アランと飲んでいたからな。」
「ほお、アランとね・・・。なあ、アンドレ、開けていいか?」
「ああ、いいぞ。気に入ってくれたら、いいけどな・・・。」
「なんだろう?」
「開けてからのお楽しみ。そう言えば、不思議な事があったぞ。」
「不思議な事?」
「ああ、アランと飲んだ帰り、あいつに紹介してもらった店に行ってみた
 んだ。そしたら、そこにお前によく似た女が店番をしていたんだ。」
オスカルは彼の言葉を聞きながら包みを開けて、箱のふたを取った。
そして銀のバラの髪飾りを見て、彼女はびっくりした。
「おまけに俺によく似た男もいたし・・・。」
オスカルは、銀のバラの髪飾りを手に取った。すると髪飾りの下にカード
が入っているのに気が付いた。そのカードを読んだ彼女は、彼に向かって
聞いてみた。

「幸せそうだったか? その2人は?」
「ああ、とても。たしか、結婚したばかりとか言っていた。」
「そうか。よかった。」
オスカルは嬉しそうに微笑んだ。
「お前、もしかして、その2人のことを知っているのか?」
「ないしょ。」
オスカルはそう言うと、ウインクをした。
「ないしょって、おい・・・。」
アンドレは、オスカルの手に髪飾りとカードが握られているのに気が付いた。
「あれ、俺、そんなカードを入れてくれるように頼んだかな? オスカル、
 そのカードを見せてくれないか。」
オスカルは微笑んで言った。
「ふふふ。駄目だ。それよりも、アンドレ、髪飾りをありがとう。」
「気に入ってくれたか?」
「ああ、気に入ったぞ。 でも、私に似合うだろうか?」
「似合うよ。俺が選んだのだからな。」
アンドレは、オスカルにウインクをした。

オスカルは頬を染めながら、
「そうだ。ロザリーから、貰ったリボンがあったな。それで、髪をくくって、
 この髪飾りをつけてみよう。」
と言うと、隣の部屋に行った。その時、カードも一緒に持っていった。

隣の部屋に行ったオスカルは、机の上においてある宝石箱の中から、仕舞っ
てあったリボンを取り出した。そして、カードを宝石箱の横に置いた。

オスカルは、リボンと手鏡とブラシを持って隣の部屋から戻ってくると、自
分で髪をくくろうとしていた。すると、それを見ていたアンドレは言った。
「俺がくくってやるよ。」
「これくらい、私ひとりでも出来るぞ。」
「俺がやりたいの。」
そう言うと、アンドレは彼女からブラシとリボンを受け取った。
そして、彼は器用に髪をまとめてリボンをくくり、髪飾りをつけようとして
いる。それを鏡越しに見つめるオスカルは、ある事に気が付いて彼に聞いて
みた。

「なあ、アンドレ。お前はなぜ、この髪飾りを私に贈ろうと思ったのだ。今
 までの私なら、絶対に身に付けないのに。」
「そういわれてみれば、そうだな。」 
オスカルは、振り返ってアンドレを見つめて言った。
「どうしてだ?」
「知りたいか?」
「うん、知りたい。」
アンドレは、オスカルの顔をじっと眺めて、彼女の額に口付けを一つ落とした。
そして、彼女を再び、前に向かせて、髪飾りを髪につけながら、
「最初は、なにがいいのかわからなかったから、いろいろな店を見て回ったの
 だが。でも、どれも気にいらなくて、どうしようかと思っていたら、あの店
 でこの髪飾りを見た途端、『あっ、これだ。』っと、思ったんだ。」
「・・・・・」
「お前は普段、アクセサリーを身に付けないだろう。でも、この髪飾りなら、
 お前も気に入ってくれて、身に付けてくれるような気がしたのさ。」
オスカルは鏡ごしにアンドレをみつめながら、彼の言葉をだまって聞いていた。
「ほら、出来たぞ。」

アンドレがくくりつけてくれたリボンと髪飾り。
鏡に映っているその姿は、オスカルがバレンタインデーの時に見た、夢の中のも
うひとりの『自分』とそっくりだった。オスカルは、アンドレと結婚が決まって

『幸せだ』

と言っていたシルヴィーの姿を思い浮かべた。

「どうだ。似合うか?」
「ああ、よく似合っているよ。」
「ありがとう。アンドレ」
オスカルは、そういうとアンドレに抱きついた。
アンドレは、オスカルを抱きしめて、口付けをした。
「次は、その髪飾りに似合うドレスをプレゼントするよ。」
その言葉にオスカルは、驚いて彼の顔を見た。
「俺のために着てほしい。一度でいいから・・・。駄目か?」
「駄目じゃないけど・・・。でも、どうして・・・?」
「俺のために着飾るお前を見てみたいから。それに・・・。」
「それに?」
オスカルはキョトンとした顔でアンドレに聞いた。
彼は、彼女にそっと耳打ちする。
「男は、自分の贈った服を脱がせたいの。」
「え!!」
オスカルは、カアっと頬を染めた。
「ふふふ。冗談だよ。」
「アンドレ!!」
「でも、俺の贈ったドレスを着てほしいのは、本当だよ。オスカル。」
「うん、判った。でも、貴族の派手なドレスは嫌だ。平民の女性が着るような
 服なら着るぞ。」
「ああ、判った。でも、どうしてだ。」
オスカルは、上目遣いでアンドレを見上げていた。
「・・・笑わないか?」
「ああ、笑わない。で?」
「・・・実はな、私にも夢があるのだ。」
「夢?」
「・・・お前から贈られたドレスを着て、パリの街をお前と一緒に歩いてみた
 い。」
「本当か?」
「うん、お前さえよければ・・・。」

アンドレは、うれしそうにオスカルを抱きしめた。
「今度の休暇の時に、ドレスをプレゼントするよ。きっと似合うぞ。」
オスカルは呆れて言った。
「アンドレ、それはちょっと・・・、気が早いのでは?」
「ふふふ。俺もお前と一緒にパリの街を歩いてみたい。」
「本当に?」
「本当だよ。」
オスカルは嬉しそうに言った。
「では、お任せいたしますわ。ムッシュウ。」
「かしこまりました。マドモワゼル。」
2人は、そう言うとお互いの顔を見て、笑った


オスカルは、アンドレの腕の中で思った。

お前から贈られたこの髪飾りとドレスを
身に付けて、お前と腕を組んでパリ の街
を歩いてみたい。そして、お前が髪飾りを
買ったと言う店を探してみたい。

たぶん見つける事はできないだろう。でも、
アンドレ、お前と一緒に探したなら、その
店を見つける事が出来るような気がする。

もしシルヴィーに 出会えたら、彼女に伝
えたい。『私も幸せだよ。』って・・・。
宝石箱を置いている隣の部屋に一陣の風が入る。
その風のせいで、宝石箱の横に置いてあったカードが床に落ちた。
そのカードには、このように書かれていた。


「オスカルへ

   アンドレとお幸せに

          シルヴィーより」               Fin


   


<あとがき>
前回の「チョコレートの贈り物」(タンタンのママ編)の続編です。
前回の「チョコレートの贈り物」は私にとっては初めて書いたSSでした。
そのなかで、シルヴィーと言う女性がとっても気に入っていましたので、
彼女事が書きたくて、今回書いてしまいました。
無窮様のご好意で、UPしていただきました。
UPしいただく際にも、無窮様にはいろいろとお世話になりました。
無窮様、本当にありがとうございました。
         タンタンのママ様談



思いがけず素敵な作品を頂き感謝です。パリの街の不思議なお店。
わたしも行ってみたいです。                      無窮



        
  
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