ベルひな



さわらびさん作

「アンドレ、どうしたんだ?暗いぞ。」
「いや、ひなまつりの飾りを見ていて、ちょっとな…。」
「ん?」
「男雛と女雛は当然国王陛下と王妃さま、右大臣、左大臣は弓矢かついで将校っぽいからおまえとフェルゼン伯爵
(注・オスカルは近衛連隊長、フェルゼンは陸軍連隊長)、
三人官女は宮中出入りの女官だからロザリー、シャルロット、ディアンヌというところだろう
(注・三人とも貴族なんですね。)。

五人囃子は衛兵隊の連中。とすると、俺は最下段の雑司かな…と思うと、なんか…な。」
「アンドレ、最近は親王雛といって、男雛と女雛だけのものがはやりらしい。
ならばおまえと私の二人でちょうどよいではないか。それよりホワイトデーが近い。期待しているぞ。」
「オスカル…!」
感涙にむせぶアンドレでした。

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みやさん作

感涙にむせぶアンドレに、さらに優しくオスカルさまが寄り添います。
「さあ、せっかくのご馳走が冷めてしまう。今夜は父上も母上もお留守だから、
ゆっくり二人で夕食を楽しもう。ちらし寿司にハマグリの潮汁、菜の花のお浸し。
今夜はジャポネのひな祭りメニューだぞ!」
「ああ、春の香りがするな。彩りも美しい」

「知ってるか?アンドレ。ハマグリというのは一つ一つ貝殻の蝶つがいの形が違うのだそうだ。
だからぴったりと合わさるのはこの世にたった一組だけ。
それでひな祭りの時の吸い物の実に使われるのだそうだ。
この世にたった一組の夫婦の結びつきを表わすものとして。
…おまえとわたしにこれ以上相応しいメニューはないと思わないか?」


「嬉しいよ、オスカル!おまえからそんな言葉を聞くと……。ねえオスカル。
ひな祭りメニューよりもっと食べたいものがあるんだけど…」
{…?」
「ハマグリの潮汁よりおまえが食べたい」
「アンドレ!それマンガが違う!それってオルフェウスの…あ!こらやめろ…っ…て…」





『あとがき』
何も申すことはございません。
白酒飲んでも酔いそうです。お二人様、
ありがとうございました。

ちなみに続きが読みたい方は、妄想を書いて
メールで送ってくださいませ。(笑







   




                                                                                                             

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